雷の形状
雷を撮影していると稲妻の形状に大きく異なる種類があることに気がついた。いわゆるポピュラーな稲妻型のもの。そして海棲動物のヒドラやイソギンチャクのように腕を広げるような形状のものだ。
上の写真はいかにも雷!という形状の稲妻型。雷雲から地表に向けてステップトリーダーと呼ばれる細かな枝(写真中にも多数写っている)を多数展開し、最初に接地した枝に大電流が流れるもの。
上の写真は腕を広げたようなちょっと異様な形状の型で、近くで見ると結構気持ち悪い。また、「腕」がかなり遠くまで伸びるようで発生源が遠くでも雷の「腕」は頭上まで届いている、ということがあって結構怖い。この雷を撮ったときは落雷地点から「腕」が数十キロメートルも伸びて撮影ポイント上空まで何度か来ていた。
ちなみに稲妻が赤いのは落雷地点が遠いのと、夕方でまだ空が明るかったため減光用にNDフィルターを使ったためだ。
この形状の違いについてしばらく疑問に思っていたが、先日、森北出版の『雷と雷雲の科学』を読んだところp67に疑問を解決する糸口になるだろう図が掲載されていた。
この本によると稲妻が雲から地上へ下降するか、あるいは地上から雲に向かって上昇するかによって分類され、さらに帯電状態で分けられ、都合4分類となっているとのことだった。
さっそく手持ちの写真を調べてみると、これら4分類のうち3つを写すことに成功していたようだ。
さきほどのいかにも稲妻というタイプは、「正帯電リーダー下降型」らしい。
イソギンチャクのような異様な形状の雷は「正帯電リーダー上昇型」らしい。
そしてたぶんこれは「負帯電リーダ下降型」ではないかと…
雷の形状から放電の形式が判るのはなかなか面白い。