撮影マニアックス

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突撃!隣の総火演

知人と共に26日に開催された陸上自衛隊富士総合火力演習 2010予行(以下「総火演」)に行ってきた。撮影した写真を掲載すると共に、昨年までの総火演と異なる点があったので備忘録を兼ねてまとめてみた。29日の一般招待日に参加される方に多少でも参考になればと思っている。もちろん自衛隊側の都合で内容が変わることもあると思うので、その点はあらかじめご了解頂きたい。なお、今回掲載した写真はすべてAスタンド前のシート席で撮影したもの。機材はCanon EOS 7DCanon EF L100-400mm F4.5-5.6L IS USMなど。
入場券を手配してくれた知人にはこの場を借りて改めて感謝したい。


◎戦車の射撃は74式戦車だけ

Canon EOS 7DおよびCanon EF L100-400mm F4.5-5.6L IS USMシャッター速度1/1600秒 F5.6 焦点距離400mm(換算640mm) ISO640 発砲炎、その左上側には標的に向けて飛翔する砲弾が写っている。

先に発生した90式戦車の砲身破損事故の影響で、26日の総火演予行では、90式戦車は登場はしたものの射撃を一切実施しなかった。これは戦車砲の発砲炎を狙うにはかなりシビアな条件だ。つまり90式戦車が射撃しないため、シャッターチャンスが半減したからだ。


Canon EOS 7DおよびCanon EF L100-400mm F4.5-5.6L IS USMシャッター速度1/1600秒 F5.6 焦点距離115mm(換算184mm) ISO640
この写真の撮影時、74式戦車は場内アナウンスの「発射命令」の後、車体を丘の上に移動させ若干のタイムラグを置いて発砲していた。筆者は発射命令と同時に射撃すると思いシャッターを押して肩すかしを食らい、カメラのバッファーも一杯になり連写速度が低下してしまったEOS 7Dは、sRAWで連写すると数秒でカメラ本体のバッファーが一杯になって連写速度が低下する)。前段演習ではそういうことがあったので、後段演習の戦車砲射撃シーンは記録形式をjpegのみに切り替えた。使用したCFはサンディスクの高速なタイプだったので、jpegではバッファ詰まり的なトラブルは無く、快適に発砲炎を多数撮影できた。なお、レンズの焦点距離は400mm程度で十分だ。


◎10式戦車は展示のみ、射撃や機動走行はナシ
期待の新型戦車「10式」も総火演に登場するが、26日には顔見せ程度で射撃や本格的な機動走行は実施されなかった。

RICOH GR DIGITALII シャッター速度1/760秒 F2.4 焦点距離6mm(換算28mm) ISO100 10式戦車の周囲にはポールが設置され、間近に寄れなかった。


Canon EOS 7DおよびCOSINA VoightLander ULTRON 40mm F2 SL II (キャノンEF) シャッター速度1/400秒 F8 焦点距離40mm(換算65mm) ISO100 観客にたちまち囲まれる10式戦車、ホント大人気だ。ちなみにアニメ『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』第5話、関門橋に10式戦車が治安出動しているシーンが描かれていたが、アニメでの登場はあれが初めてかもしれない。

なお、10式戦車の登場は後段演習終了後、会場右手側からで、下の地図で説明すればEスタンド(の前のシート席)正面で展示されていた。

※「防衛ホーム 2010年8月」会場配布号外より引用

なお、今回総火演前に入手して読んで参考になったのはこの本。10式戦車もTK-Xとして紹介されている。


◎ヘリコプターの撮影
総火演と言えば、戦車と並んでヘリコプターも多数登場、本イベントの主人公の一つだ。ヘリの回転翼が動いているように撮るにはシャッター速度をかなり下げなければならない。シャッター速度1/400などで撮ると全部回転翼が止まって写り、臨場感が無いことこの上ない写真になってしまう。しかし超望遠レンズ使用下でシャッター速度1/160などにすると手ブレ、被写体ブレのオンパレード。ヘリは三次元空間を自由かつ高速に移動する被写体でかなり撮りにくい被写体なのだ。ここは回転翼が動き、それでいてブレが少ないという、歩留まりのなるべくいいシャッター速度はだいたい1/250あたりだろう(個々人の撮影への慣れなどもあるので一概には言えないが…)。もちろんカメラはシャッター優先モードにしておく。今回はそれで撮ったが、それでも結構被写体ブレ等は発生した。
なお、レンズの焦点距離は400mm以上あることが望ましい。


Canon EOS 7DおよびCanon EF L100-400mm F4.5-5.6L IS USMシャッター速度1/250秒 F7.1 焦点距離400mm(換算640mm) ISO100 斥候として低空で機動するOH-1 ニンジャ。「ニンジャ」って愛称、定着した感じがあるなあ。いかにも国産ヘリにふさわしいってことか。ちなみにコミック版学園黙示録ACT.24で武装型が実機に先駆けて登場していた。むろん、実機ではまだ構想段階で、残念ながらしばらくは実現する予定はないようだ。


Canon EOS 7DおよびCanon EF L100-400mm F4.5-5.6L IS USMシャッター速度1/250秒 F5.6 焦点距離250mm(換算400mm) ISO100 隊員をリペリング降下させるブラックホーク。ヘリという機械と人間の組み合わせは画面に動きが出ていい。


Canon EOS 7DおよびCanon EF L100-400mm F4.5-5.6L IS USMシャッター速度1/250秒 F5.6 焦点距離170mm(換算272mm) ISO100 小林源文調の効果音「HuHuHuHu!!」というのが聞こえてきそうな軽装甲機動車を吊下したチヌーク。本機の回転翼の速度は、通常飛行時はシャッター速度1/250で十分な場合が多いが、この写真のように場合によってはかなり回転翼の速度が落ちるようでシャッター速度1/250では止まって写ることも。ただ、これ以上シャッター速度を遅くすると被写体ぶれが多々発生することになるのでそこはどちらを優先するか、だろう。

なお、会場でシャッター速度を手作業で変更すると、その後、別の被写体を撮る時も戻すのを忘れがちだ(てかよくやる)。カメラのカスタム機能などで、事前に登録させておけば誤操作がなくて便利だ。ヘリの登場シーンが終わったら元の撮影モードに即座に戻せるし。ということですでにそういう使い方をされている方が多いとは思うが念のため。


◎ヘリコプターの射撃シーンなど
総火演の華ヘリコプターの射撃シーンも写し甲斐のあるシーンだ。26日の予行ではAH-1Sコブラ、AH-64Dアパッチの2機種が射撃を、UH-1が地雷を散布するシーンが披露された。


Canon EOS 7DおよびCanon EF L100-400mm F4.5-5.6L IS USMシャッター速度1/250秒 F5.6 焦点距離400mm(換算640mm) ISO100 AH-64Dアパッチ・ロングボウのM230A1 30mm機関砲の射撃は、曳光弾を使わないため見た目はかなり地味だ。薬莢の落下と発煙で射撃していることがわかる。ちなみに画面内のゴミはヘリのダウンウォッシュによって巻き上げられたもの。


Canon EOS 7DおよびCanon EF L100-400mm F4.5-5.6L IS USMシャッター速度1/250秒 F6.3 焦点距離400mm(換算640mm) ISO640 AH-1SコブラのTOWミサイル発射シーン。


Canon EOS 7DおよびCanon EF L100-400mm F4.5-5.6L IS USMシャッター速度1/250秒 F9 焦点距離400mm(換算640mm) ISO640 UH-1J地雷散布型。敵部隊の進路前方に地雷を空中から散布して急速に地雷原を形成、敵部隊の進撃速度を遅くすることが可能になる。


◎おまけ

総火演2010のプログラム。天候によってはF-2の航空火力支援や空挺降下が中止になることもあり、26日は実施されなかったorz。
 
※「防衛ホーム 2010年8月」会場配布号外より引用

なお、会場左側正面に以前から大スクリーンがあったが、その右側にテレビカメラタワーが設置された。これが結構撮影のじゃまなんだよね。戦車隊登場シーンがこんな感じなってしまう。会場左寄りで撮影する場合は要注意だ。

Canon EOS 7DおよびCanon EF L100-400mm F4.5-5.6L IS USMシャッター速度1/1600秒 F6.3 焦点距離400mm(換算640mm) ISO640 テレビカメラタワーの固定ケーブルが写り込んでしまっている。来年は位置を変えて欲しいと思う。